過去三ヶ月に渡る継続成長後、ビットコインネットワークのコンピューティングパワーは、
中国の夏の雨季が薄れるにつれ、後退を見せています。
Poolinのデータによれば、リアルタイムのハッシュレートに関して世界最大級を誇るビットコインマイニングプールは、
いくつかのマイナーがネットワークから切断する兆候を出しながら、
10月24日以来、ビットコインの7日間平均のコンピューティング（もしくはハッシング）パワーが、
1秒（ET/s）あたり90 exahashesあたりまで下落しているとのことです。
過去には、2019年の終わり頃までにハッシュレートは100ET/sの閾値を超えるだろうと予測されていました。
このパワーダウンの結果、マイニングプールサービスのBTC.comのデータによる予測では、
ビットコインの難易度（ビットコインのマイニング報酬が完了するまでにどのくらい困難か表した指標）は、
7日間での調整予定の時、1.5％減少する見込みです。
ビットコインの採掘難易度は8月初旬の38％の増加に続き、10月24日には最高記録の13兆6億9000万まで到達しました。
この上昇の結果は主に、中国南西部の省による豊富な簡易水力発電によるマイナーの
ハッシュパワーの増加によるものです。
採掘難易度は、ネットワークのハッシングパワーが2週間サイクルで上昇したか、もしくは下降したのか、
そのいずれかをベースに14日間毎に難易度の上下を自動調整します。
10月24日の採掘難易度記録は、14日間の平均ハッシュレートを超える最高の97.90ET/sに続くものとなりました。
過去一週間の下落の主な理由は、中国の雨季が段階的に終わってきているからだと
Poolinの共同創設者であるChris Zhu氏は、最近のWeChatの投稿で述べました。結果として、
中国四川省の水力発電地帯（ビットコインの世界的なコンピューティングパワーの50％を占めると推測されている）は、
もはやマイニング活動をサポートするほどの十分な発電をする能力が無いとしています。
十分な水力発電の供給が無くなったマイナーは、運営を停止するか、
マイニングファームがより安定する新疆ウイグル自治区か、モンゴルのような他の場所に移動する必要がありますが、
化石燃料発電によるパワー供給は、よりコストがかかります。
中国南西部四川省にマイニングファームを所有し、HashageのCEOであるXun Zheng氏は、
Zhu氏のコメントに共感しながらも、たとえもし誰かが水力発電のリソースを見つけたとしても、
夏の間は、キロワット時（kWh）0.04ドルから0.05ドルに上るだろうと付け加えています。
さらに、7,500ドルを下回る10月23日のビットコインの突然の下落は、
広く使われているマイニングモデルで、Bitmainによって製造されたAntMiner S9のような先発組を
大規模な閉鎖に追い込む可能性があります。S9による損益分岐点は、7,000ドルから7,500ドルです。
しかしながら、先週の重要な価格のリバウンドは、このパニックに歯止めをかけるでしょう。
事実は変わりませんが、S9とBitomanのライバル会社によって製造された類似モデルの収益性は、
生涯効用に関して、重要な問題です。
そして、来年の雨季の前に予定されている2020年5月のマイニング報酬半減期も同様、
中国の冬季による電力料金の引き上げの影響を受けるでしょう。
マイナーの収益性インデックスを提供するPoolinとそのライバルであるF2poolによれば、
ビットコインの現在価格での電力コストは、0.05ドルkWhで、
S9のようなマイニング収益マージンのモデルでは、約30％だそうです。
Poolinの姉妹企業のINBTCのような企業等は、電力消費においてハッシュパワーのより高いレートを作るため、
2つの部門を統合することで、S9マイナーの寿命を延ばす試みを現在行っています。
これは、別個の部門で到達していた時に比べ、1日あたり高い収益マージンを可能にしてくれますが、
このような方法が大規模に機能すると証明されるかはまだ未知数です。
引用元：Bitcoin Mining Power Sees Short-Term Drop as Rainy Season Ends in China
